====== STACKでの数式入力記法 ====== ===== STACKとは ===== Moodleは学習管理システム(LMS: Learning Management System)の1つです。オープンソースソフトウェアとして開発されており教材の配布や小テストの実施や課題の提出や成績の集計などを行うことができます。 Moodleの小テストでは選択問題や数値問題や記述問題などさまざまな形式の問題を扱うことができます。 STACKはMoodleで利用できる問題タイプの1つです。数式による解答を自動的に判定するためのプラグイン(拡張機能)です。 STACKでは数式処理システム **Maxima** を利用しています。Maximaもオープンソースソフトウェアです。そのためSTACKでの数式入力はMaximaの記法を基本としていますが学生が入力しやすいように一部変更されています。 STACKでは英数字や記号は原則として半角で入力します。 ===== 本授業におけるSTACKでの数式入力記法の扱い ===== STACKでの数式入力記法をすべて暗記する必要はありません。あまり使用しない記法は必要に応じて問題文にも示します。 通常の学習では記法が分からないときにこのページを参照してください。試験中は参照できませんが数式入力記法についての質問には対応します。 STACKでの数式入力記法には他のプログラミング言語などと共通する部分もあり数式の構造を正確に捉えることにもつながるため触れておくことは無駄にはならないと思います。 ===== ギリシャ文字一覧 ===== 一般にラテン文字 \(a,b,c,\ldots\) だけでは記号が足りなくなることがあるためギリシャ文字もよく使われます。本授業でもギリシャ文字を用います。ただし本授業のSTACK問題ではギリシャ文字を変数として解答に用いることはありません。STACKではギリシャ文字はその英語名で入力します。組版処理システムTeXなどでも同様です。 ^ 小文字 ^ 読み方 ^ STACKでの入力 ^ 大文字 ^ STACKでの入力 ^ | α | アルファ | ''alpha'' | Α※ | ''Alpha'' | | β | ベータ(ベタ) | ''beta'' | Β※ | ''Beta'' | | γ | ガンマ | ''gamma'' | Γ | ''Gamma'' | | δ | デルタ | ''delta'' | Δ | ''Delta'' | | ε, ϵ† | イプシロン(エプシロン) | ''epsilon'' | Ε※ | ''Epsilon'' | | ζ | ゼータ | ''zeta'' | Ζ※ | ''Zeta'' | | η | イータ(エータ) | ''eta'' | Η※ | ''Eta'' | | θ, ϑ† | シータ(テータ) | ''theta'' | Θ | ''Theta'' | | ι | イオタ | ''iota'' | Ι※ | ''Iota'' | | κ, ϰ† | カッパ | ''kappa'' | Κ※ | ''Kappa'' | | λ | ラムダ | ''lambda'' | Λ | ''Lambda'' | | μ | ミュー | ''mu'' | Μ※ | ''Mu'' | | ν | ニュー | ''nu'' | Ν※ | ''Nu'' | | ξ | クサイ(クシー) | ''xi'' | Ξ | ''Xi'' | | ο | オミクロン | ''omicron'' | Ο※ | ''Omicron'' | | π, ϖ† | パイ | ―‡ | Π | ―§ | | ρ, ϱ† | ロー | ''rho'' | Ρ※ | ''Rho'' | | σ | シグマ | ''sigma'' | Σ | ''Sigma'' | | τ | タウ | ''tau'' | Τ※ | ''Tau'' | | υ | ウプシロン(ユプシロン) | ''upsilon'' | Υ※ | ''Upsilon'' | | φ, ϕ† | ファイ(フィー) | ―¶ | Φ | ''Phi'' | | χ | カイ(キー) | ''chi'' | Χ※ | ''Chi'' | | ψ | プサイ(プシー) | ''psi'' | Ψ | ''Psi'' | | ω | オメガ | ''omega'' | Ω | ''Omega'' | ※を付けた大文字は対応するラテン文字と見た目では区別できないことがありますが文字としては別の文字です。 †を付けた小文字はその文字の異なる字形です。 ‡ Maximaでは円周率を ''%pi'' と入力しますが、STACKでは学生が入力しやすいように ''pi'' も円周率として扱われます。そのため \(\pi\) を変数記号として使うことはできません。 § STACKの通常設定では \(\Pi\) を表すことはできません。 ¶ Maximaでは黄金比を ''%phi'' と入力します。STACKでは ''phi'' も黄金比として扱われるため、\(\phi\) を変数記号として使うことはできません。 ===== 論理記号 ===== 以下では \(P,Q\) は命題とします。\(P\) が真であるとき、\(P\) が成り立つといい、\(P\) が偽であるとき、\(P\) が成り立たないといいます。STACKでは真は ''true''、偽は ''false'' と入力します。 ^ 読み方 ^ 記号 ^ STACKでの入力 ^ | \(P\) でない | \(\neg P\) | ''not P'' | | \(P\) かつ \(Q\) | \(P\land Q\) | ''P and Q'' | | \(P\) または \(Q\) | \(P\lor Q\) | ''P or Q'' | | \(P\) ならば \(Q\) | \(P\to Q\) ※1 | ''P implies Q'' | | \(P\) であるとき,そのときに限り \(Q\) である | \(P\leftrightarrow Q\) ※2 | ''P xnor Q'' | ''not'' の後、および ''and''、''or''、''implies''、''xnor'' の前後には半角スペースを入れて入力します。 ※1 高校では,\(P\to Q\) を \(P\Rightarrow Q\) と表しました。 ※2 高校では,\(P\Rightarrow Q\) と \(Q\Rightarrow P\) がともに真であるとき,\(P\) と \(Q\) は互いに同値であるといい,\(P\Leftrightarrow Q\) と表しました。ここでの \(P\leftrightarrow Q\) は, $$ (P\to Q)\land(Q\to P) $$ を意味し,\(P\to Q\) と \(Q\to P\) がともに真とは限らず、\(P\) と \(Q\) は互いに同値であるとはいいません。 ※ STACKでは入力後の確認表示では、''not'' は「否定する」、''and'' は「そして」、''or'' は「もしくは」、''implies'' は「意味する」、''xnor'' は「否定排他的論理和」と表示されます。 ===== 集合 ===== ^ 術語 ^ 記号 ^ STACKでの入力 ^ | \(a,b\) を元とする集合、\(a,b\) の非順序対 | \(\{a,b\}\) | ''{a,b}'' | | 空集合 | \(\varnothing\) | ''{}'' | | \(a,b\) の順序対 | \((a,b)\) | ''[a,b]'' | | \(a_1,a_2,\ldots,a_n\) の \(n\) 組 | \((a_1,a_2,\ldots,a_n)\) | ''[a1,a2,...,an]'' | ===== 順列・組合せ ===== ^ 術語 ^ 記号 ^ STACKでの入力 ^ | \(n\) の階乗 | \(n!\) | ''n!'' | ===== 実数と実数直線 ===== 以下では \(x,y\) を実数とします。 ==== 四則演算と累乗 ==== ^ 術語 ^ 記号 ^ STACKでの入力 ^ | \(x\) と \(y\) の和 | \(x+y\) | ''x+y'' | | \(x\) と \(y\) の差 | \(x-y\) | ''x-y'' | | \(x\) と \(y\) の積 | \(xy\) | ''x*y'' | | \(x\) の \(n\) 乗(\(n\) は自然数) | \(x^n\) | ''x^n'' | | \(x\) と \(y\) の商(\(y\ne0\)) | \(\frac{x}{y}\) | ''x/y'' | ==== 演算の順序とかっこ ==== * STACKでの演算の順序は、通常の数学の規則と同じです。 * 演算の順序を指定するかっこには、半角の丸かっこ ''(''、'')'' のみを用います。 ==== 順序 ==== ^ 記号 ^ STACKでの入力 ^ | \(x>y\) | ''x>y'' | | \(x=y'' | | \(x\leqq y\) | ''x<=y'' | | \(x=y\) | ''x=y'' | ^ 術語 ^ 記号 ^ STACKでの入力 ^ | \(x\) の絶対値 | \(|x|\) | ''|x|''、''abs(x)'' | ==== 区間 ==== 以下 \(a,b\) は実数で \(a